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滝沢こずえオフィシャルブログ 一意専心

クロスカントリースキーについてvol.2~FISポイントとは〈応用編〉~

本日は「FISポイントについて〈応用編〉」です。前回の〈基礎編1〉と〈基礎編2〉では、FISポイントのことを説明しましたが、〈応用編〉は、ポイントの算出方法などより専門的で難しくなります。少しでも分かるよう、実例を使って説明しますので是非見て、理解していただきたいです!!

早速ですが、前回の〈基礎編2〉でFISポイントにはペナルティーポイントとレース・ポイントがあると説明しましたが、この2つのポイントは出場選手のレベルと、優勝者とのタイム差によって算出され、与えられています。

出場選手のレベルというのは、あらかじめ持っている個々のFISポイントを見ます。大会結果の上位5名が所有するFISポイントの中から上位3つのFISポイントを足して3.75で割った数字(小数点第3位を四捨五入)がペナルティーポイントとなります。ペナルティーポイントの値で大会のレベルが判断できます(上位5名のレベルで大会のレベルが分かるということ)。

レース・ポイントは、種目によって決められたF値(種目ごとに1秒の重みを決めた係数)と所要タイム(秒に換算)を掛けたものを優勝者のタイム(秒に換算)で割ります。そこからF値を引いたものがレース・ポイントです。下記の表は「2018/2019 FIS/SAJクロスカントリー・ ポイント・ルール」から引用したものです。

言葉だけでは説明しにくいので実例を用いて説明します。

2018-2019シーズンで国内初戦となったFISレース、「第36回全日本クロスカントリー音威子府大会」の結果をもとに紹介します。この大会結果は下記の通りでした。

上記の結果から上位5名が所有するFISポイントの中から上位3つのFISポイントを足して3.75で割った数字(小数点第3位を四捨五入)がペナルティーポイントになります。

このレースで優勝した小林選手のFISポイントは65.94となります。
ペナルティーポイントが20.00以下になった場合は20.00がペナルティーポイントになります。優勝しても20.00ポイントは付いてしまうということです。

ただ、オリンピック・世界選手権・ワールドカップのペナルティーポイントは必ず0.00です。優勝したら最も少ない0.00ポイントを獲得できるということです。

2位以降の選手のFISポイントは小林選手とのタイム差から算出されます。2位の私で算出してみますと・・・。

私のレース・ポイントは2.57なので、ペナルティーポイントに加算して私のFISポイントは68.51となります。
ペナルティーポイントと全選手のレース・ポイントが算出されると、このFISレースのFISポイントが決まります。

自分の所有するFISポイントは、1レース毎に与えられるFISポイントの上位5つの平均になります。ただ、レースで獲得するFISポイントは1年間で失効されるので、3年前のFISレースでものすごく少ないFISポイントを獲得できていたとしても、現在私が所有するFISポイントには関係ありません。2019年12月1日現在、私が所有するFISポイントは78.52です。これは、2018年12月1日から現在までの1年間の中で獲得したFISポイント上位5つの平均になり、これがFISポイントランキングとなるのです。ちなみに、私のFISポイントランキングは現時点で238位です。

一発勝負ではないので、1回良いポイントを獲得するだけではダメです。5つ良いポイントを揃えられる実力がないとポイントを下げられず、FISポイントランキングも上がりません。

FISポイントは世界共通ポイントなので評価する指標としてとても大事なものになります。
FISポイントの仕組みが分かると、目標ポイント獲得のために、どのレベルのレースでどんな結果を出したら獲得できるのか見えてきます。
世界大会への派遣や、ナショナルチームに入る条件に「FISポイント」がある以上、選手なら気にしないといけないところだと思います。

一見シンプルに見えるクロスカントリースキー競技ですが、奥が深い競技です。複雑なルールも知れば知るほど見ごたえがあると思いますので、今後も豆知識シリーズで紹介していこうと思います!

複雑なルールで難しかったと思いますが、最後まで読んでいただきありがとうございました!!