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滝沢こずえオフィシャルブログ 一意専心

怪我と向き合い、再確認した競技への想い

4月があっという間に終わりそうな今日この頃、すでに社会人アスリート4年目が始動しています!
私は、シーズンが終わると一旦競技から離れ、酷使してきた身体と張りつめていた心をリセットさせる“リフレッシュ期間”を2週間設けています。この期間は、社会人アスリートとして会社に出社し、競技以外の業務に携わる時間です。

2週間が経ち、昨シーズンを振り返った時に頭に浮かんだのは“怪我”のことでした。

マイナスなイメージを連想する人が多いと思い、今まで避けてきた話題なのですが、決してマイナスなことばかりではなく、怪我をしたことで改めて競技や自分自身と真剣に向き合い、競技への想いを再確認できたので綴っていこうと思います!

まず、私の“怪我”とは両足の足底腱膜炎のことで、名前の通り、足の裏に膜のように張っている腱が炎症を起こし、痛みがでる症状です。

(足底腱膜炎の患部に施したテーピング)

昨年の8月頃にかかとが少し痛み始め、10月頃には何をするにも痛みを伴うまで悪化しました。特に、走る時は激痛です。不幸中の幸いなのか、ローラースキーはあまり痛みを感じる事がなかったため、本番である雪上でのスキーも大丈夫だろうと、競技をすることに対しては、楽観的でいられました(笑)

走ることをやめればすぐに痛みは消えましたが、走り出せば痛みはぶり返し、これ以上患部を悪化させない為には、シーズン直前から走ることを一切やめざるを得ませんでした。

クロスカントリースキーは、スキーを滑らせるテクニックやパワー、道具の知識および選択、強靭なメンタルといった様々な力が必要ですが、何においても基礎中の基礎である体力向上には走力が非常に重要な要素です。
走ることをやめる恐怖心は強かったですし、とても葛藤した時期でした。

痛む度に今までの努力が否定されているような気持ちになりつつも逃げず、シーズン中に私が一番しなければならないことは何か、また、一番したいことは何かを考え、どちらも「競技をすること」だったので、痛みを出さないことを優先してトレーニングプランを練り直しました。

足の痛みを抑えたことで、予定していたレースにも全て出場して無事にゴールすることができましたし、不安だった体力面は走ること以外で最低限を補っていたので、昨シーズン最終戦の30kmという長距離もしっかりと滑れました!

社会人アスリートとして競技を全うする責任と、弱さを誰にも見せたくないというプライドが根本にあったのは隠せませんが、昨シーズンをやり切れたのはちゃんと怪我と向き合ったからです。

なかなかうまくいかなかったシーズンだったので、初めて「引退」の2文字が頭をよぎりましたが、怪我をしている時も応援し続けてくれた人たちのことを考えたら、このまま引退はできません。より一層気を引き締めて頑張ろうと思うキッカケになりました!

 年齢を重ねるにつれての身体の変化はもちろんあり、それに合わせたやり方や考え方に変えていかなければいけない事に気づく事ができましたし、引退を意識した事で、今後の競技に対する想いも強まりました。
「まだ競技がしたい」という本当の気持ちと真剣に向き合えたのは“怪我”のおかげだと思っています。

怪我をしないようにすることは大前提ですが、してしまった時は、全て私の人生の糧になると思い、怪我から得るものを取りこぼさないようにしていきたいです。

足底腱膜炎に関してはリハビリを始めており、今は痛みがほとんどありません!
今後もぶり返さないよう日々のケアを入念に行い、今シーズンの目標である北京オリンピック日本代表に向けて頑張ります!

(足の指を強化する為にゴルフボールを掴みます。これが私になかなか辛いのです…。)