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滝沢こずえオフィシャルブログ 一意専心

地元への恩返し

「恩返し」という言葉は、私にとって「感謝」という意味を持ちます。
今回は地元での練習を通じて、最近、意識が大きく変わったことがありましたので紹介します。

10月25日(日)、スキー競技の活動拠点としている地元にて開催された、第43回山ノ内町四小駅伝大会。この大会は主に地元小学生が出場する大会で、私は練習を兼ねて手伝いに行きました。

今年で43回目となった今大会、もちろん私も小学生だった時に出場していました!
コースは当時のままで何も変わらず、スタート直後に続く登り坂を一生懸命に走っていたのを思い出します。ところが、何も変わらない会場とは違い、出場人数が大きく変わっていました。

大会名にある『四小』とは、山ノ内町にある4つの小学校のことですが、数年前、少子化に伴い小学校が3つになりました。
また、『駅伝大会』というだけあって、10年ほど前の私の頃は午前中が駅伝大会、午後にマラソン大会を行っていましたが、今年から駅伝チームを組める人数がいないことが理由で、マラソン大会のみで開催することとなりました。
大会名や会場は変わっていなくとも、大会そのものの賑わいや出場人数の変化にとても寂しさを感じました。

私としては、少し寂しい気持ちでしたが、当の小学生たちは、冷え込むなか半袖にハーフパンツで元気いっぱい、やる気いっぱい。一生懸命に、真剣に、楽しそうに走る小学生を見るうちに寂しい気持ちは消え、かえって元気とやる気を分けてもらいました!!

今大会では、馬場選手と私が前走を務めます。
馬場選手は、同じ地元で唯一の社会人クロスカントリースキーの競技仲間です!
同じ小学校で1つ下の後輩という顔なじみ、またこの大会で一緒に走ることができ、懐かしさに浸りながら走らせてもらいました。

前走を務めた後は、自分の練習です(笑)
勝手ながら、大会の雰囲気を利用してタイムレースをさせてもらいました。
主役は小学生なのに、私への応援もものすごくていつも以上に追い込めました!

長野県山ノ内町は私が育った場所、ここにはクロスカントリースキーに理解ある住民の方々がいて、すばらしい環境が整っています。この地を踏めば多くの感情が流れ、どんなに悩んでも、躓いても、見放さずにいてくれたのが地元です。私にとって心も体もやすめられる世界で唯一の場所です。故郷のあたたかさを、つくづく感じます。

少し前までの私は、小中学生の練習や大会には顔を出してきませんでした。

なぜなら、選手として良い結果を積み上げることが求められる世界で、現役選手であるうちから人に教えたり、地域で交流したりすることが、自分の実績に直結するものではないと考えていたからです。自分自身に精一杯で周りに目を向ける余裕すらありませんでした。

しかし、その考えは浅かったのかも。いつしかそう考えるようになりました。

実際、人に教えるということは自分自身が理解していないとできないことなので、とても難しいことです。人に教えられてこそ1人前、“プロ”かもしれません。

今の私は、小中学生に限らず、もっと多くの人たちと顔を合わせて伝えていけたらいいなと考えています。
まだまだ知らないことが多い小学生や中学生に私なりの知識、考え、想いを発信していくことで、一人でも多くの人に『クロスカントリースキー』の魅力や面白さが伝わり、小さな子たちに夢をもってもらえると嬉しいです。

私が現役アスリートとしてできるのは伝え続けることです。その先は、受け取った選手が上手に自分自身と向き合ってもらうことで未来が拓けていくことを願います。それはこのブログでも同じことが言えます。

これからの私は、「前走」でもなんでも、私にできることがあるならやりたい。こう思っています。練習優先だった過去とは違い、この競技を通して「恩返し」を意識するようになりました。

所属先の当社をはじめ、スポンサーとして支援してくださる皆様、あたたかく迎え入れてくれる地元。たくさんの人にどんな形であれ、必ず恩返しをしたいと思っています。

社会人アスリートとして、“最高峰の舞台”へ行くことが恩返しになると思っていますが、最高峰への道の途中で、こうやって地元に関わることも恩返しの1つになれば嬉しいです。

地元小中学生と話しながら…、楽しかったです!