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滝沢こずえオフィシャルブログ 一意専心

2019-2020シーズンを振り返って番外編~成長できた海外遠征vol.2~

前回に続き本日も2019-2020シーズンで最も成長できたと思う「海外遠征」についてご紹介します。前回のvol.1はスロベニア編でしたが、今回のvol.2はオーストリア編になります。
ぜひ、vol.1と合わせてご覧ください!!


さて、スロベニアからオーストリアへ移動してきました。

高速道路をひたすら6時間、海外での運転に慣れてきたとは言え、やはり左ハンドル右車線は気を付けていないと分からなくなります(汗)全世界共通にして欲しいと思いながら、安全第一でゼーフェルトへ向かいました。

ゼーフェルトという地は、1964年及び1976年の冬季五輪開催地であり、私が参戦した2019年ノルディックスキー世界選手権大会の開催地でもあります。
他にも大きな国際大会を何度も開催しており「スキーの街」と言えるほど環境が整っています。宿泊施設も多いので、今回は節約の為、ホテルではなくアパートを手配しました!

まず1つ目のハプニング発生です。6時間の運転をしてきて、ナビが指す目的地がアパートではないのです。大きな駐車場と、営業していないホテルだったので明らかに違い、少しパニックになりながら予約サイトを何度も調べ直しました。
予約サイトに問い合わせても、ナビに入力した住所を言われるだけで解決に至らなかった為、近くのレストランやホテルに予約サイトに載っているアパートの写真を見せながら尋ねに行きました。
奇跡的に3件目のホテルが教えてくれて無事に到着出来ました!!

ホッとしたのも束の間、2つ目のハプニング発生です。アパートはホテルと違って24時間受付ではかった為、私が到着した時には受け付けが終了していました…。
予約サイトからは、何かあったら電話してと言うメールが届いていましたが、電話でやり取りできるほど私は英語が堪能ではありません。無理だと諦め車中泊を覚悟しましたが、何と言っても12月なので寒くてそれこそ無理でした(笑)
追い込まれた結果、分からなかったら謝って電話を切ればいい、一度やってみるだけやってみよう!と前向きになり国際電話をしました。私の拙い英語でしたが、相手も優しく対応してくださり、玄関のセキュリティーボックスに鍵が入っている事と、その暗証番号を教えてくれて無事に入室する事ができました!

最初から無理だと決めつけるのではなく、できるところまででもトライしてみると最後はなんとかなるもんだなぁと思いました。
言葉の壁も私が思っているほど実際は無く、英語ができなくてもジェスチャーや翻訳機などを使って伝えようとすれば伝わることもあります。いくらでも解決策はあるはずなので、とにかく挑戦することが大事だと学びました!!

アパート生活は安く済む分、食事は自炊でした。恋しかった日本食を作ることができ、案外快適に過ごせました。

海外遠征では多いのですが、洗濯は手洗いで行います。ホテルに洗濯サービスある場合は使用しますが、ない場合も多く、よく手洗いをしています。冬物は厚手なので脱水が大変です…。

オーストリアも最初からハプニング連発で心が折れかけましたが、スロベニアを経験していたのでなんとか乗り越えられたと思います。

次の日からは本命のスキーが問題なくでき、スキーの街ゼーフェルトは老若男女問わずスキーヤーが多くいてモチベーションがあがりました。
また、中欧ヨーロッパの魅力は何と言っても山だと思います。
綺麗な山々を見ていると、大変だったことも忘れるほど見入ってしまいます。これも、スキー競技をやっていたから見ることができた景色だと思うと、スキー競技をやっていて良かったです。

ナイター設備も完璧でとても良い環境の中、気持ちよくスキーができていましたが、いざレースとなると思うようにいかないことばかりでした。

今回は1人遠征ということで大会に出るための準備も全て自分で行わなければなりません。一番大変だったのはワックスです。
ワックスがレースの勝敗を決めることもあるほどクロスカントリースキー競技ではワックスが大切です。

正直ワックスの知識がほとんどないので、別に来ていた日本チームに情報共有をお願いし、何が良いのか教えてもらいました。
しかし、教えてもらったワックスを私が持っているとは限らないので、無い場合は自分の持っているものの中から似ているものを選択して代用していました。

今までの海外遠征では、ワックスマンが全てやってくれていたので、今遠征はワックスマンの有り難みをすごく感じることができました。

また、クロスカントリースキーのレースでは、前日にレースの注意事項等を共有するTCM(チームキャプテンミーティング)というものがあり、参加しました。海外のレースということで全て英語ですし、大変と言えば大変ですが、これも良い経験が出来たと思います。

正直、練習に加えて自炊やスキーの手入れ、TCMなどやる事が多すぎて辛かったですが、レース自体は割と良く出来ました!
得意のクラシカル種目だったこともあり、レースがボロボロだと一番メンタルにくるので良かったです。

いよいよ最終遠征地、オーストリアのセントウルリッヒへ移動です。移動途中にオーストリアの文化に触れる観光をしました!

観光の下調べをしていると、ちょうど時期がクリスマス直前だったのでクリスマスマーケットが開催されているとのこと!
ゼーフェルトから車で30分のところにあるインスブルックという街のクリスマスマーケットへ行きました。

クリスマスマーケットの魅力に「ホットワイン」があります。街はホットワインを飲んでいる人たちで溢れていましたが、残念ながら私は車の運転があるので飲む事が出来ませんでした。

インスブルックのクリスマスマーケットには、このクリスマスマーケットでしか食べることができない「キアヒル」というドーナツのような食べ物があるそうです。皆こぞって食べるとのことだったので探しました。
200店もあるお店の中から探すのかと思っていると、1軒だけ行列が出来ていたので簡単に見つけることができました!ドーナツのようなものでしたが、私は日本のドーナツの方が好きです(笑)

初めてのクリスマスマーケットを体験できとても楽しかったです。
今回の観光もとても良いリフレッシュになったので、気合いを入れて最終遠征地へ向かいました。

最後の遠征地は3カ所目ですし、大会側が指定したホテルだったので特にハプニングも起きませんでした。ただ、春のような異常な暑さを感じました。

毎日気温10度以上の中でトレーニングをしていると雪が消えてしまいそうで不安になりました。レースが近づくにつれてコースの雪は消え、最終的にレース前日のTCMでも当日にならないと開催できるかは分からないとのことでしたが、種目を変更して開催されました!

写真から伝わるギリギリな状態でしたが、それでもレースを開催できてしまうのは、やはりクロスカントリースキーが盛んなヨーロッパの強みだと思います。

今遠征は本当に多くのことを経験しました。無事に1人で遠征できた事は何より自信になりました!
今では、興味のある事や今しかできない事にどんどん挑戦したいと思っています。

競技人生はいつ終わるか分かりません。悔いなく終えるためにも、思っているだけではなく行動に移して行きたいです。
そして、学んだことを競技人生以外で活かしていきたいと思います。

本当に長くなってしまいましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。
今後も、身を持って感じたことなどを発信していけたらと思いますのでよろしくお願い致します。